株式会社ディーカレットは、デジタル通貨のメインバンクをコンセプトに2019年にサービスをスタートした、比較的新しい日本の暗号資産交換業者です。保有する暗号資産を電子マネーにチャージできるサービスを開始するなど、日本初の取り組みを行ったことでも話題になっています。

株式会社ディーカレットでは、暗号資産の財務・管理会計システム『Gtaxエンタープライズ版（以下Gtax）』を導入し、自社の経理作業の正確かつ効率的な体制構築を行っています。

今回は、Gtax導入に至る経緯と導入後の効果について、財務・リスク管理グループの湯川様にお話を伺いました。

【参考記事：プレスリリース】
Aerial Partners、株式会社ディーカレットに暗号資産（仮想通貨）の財務・管理会計システム『Gtax』を提供開始

DeCurret経理担当 湯川様について

まずは湯川様の自己紹介と貴社での役割についてお伺いできますか？

私のファーストキャリアは、公認会計士として大手監査法人に入所して会計監査や内部統制監査などの監査業務をやっていました。その後、ベンチャー企業に転職し、経理をはじめとした幅広いバックオフィス業務を経験した後、ディーカレットに入社しました。

入社当時は、サービスが開始して間もないこともあり経理として会計をするための体制も整備されていませんでした。そのため、会計を行うために必要になる仕訳を考えるところから着手し、月次決算、四半期決算、年次決算と進めて参りました。また、経理として必要となる内部統制の整備や監査法人の対応も行っています。

暗号資産ならではの難しさ。自社でやるのに限界を感じていた。

Gtaxを導入する前はどのような課題を抱えていましたか？

先にもお話しましたが、入社当時は、取引に対する仕訳を起票するといった会計を行うための体制が不十分でした。暗号資産取引に伴う取得単価変更等が自動化されておりませんでした。そのため経理処理に大変時間がかかっており、効率化が必要でした。

はじめはこの作業を自動化するために、自社システムで構築しようとシステム担当者と連携し進めていたのですが、簡単にはいきませんでした。システムの設計には会計知識が必要な箇所もあり、結局私の確認作業が必要となってしまい非効率的でした。

また大前提として、当時暗号資産の会計は明確に会計基準等も定まっていなかったので、相談できる人も少なく、自社で対応するのに限界を感じていました。

新規サービスに柔軟に対応できることに加え、暗号資産の会計・税務に精通した専門家のサポートも大きなメリット

Gtaxの導入までの経緯と導入に至った決め手を教えてください。

暗号資産の会計・税務に精通した専門家のサポートを受けて早急に効率化を図りたい状況でしたので、 いくつかの外部業者にコンタクトしました。

その中でAerial Partnersさんとお話をしてGtaxを導入する決め手となった要因は3点あります。

まず1つ目は新規サービスに対して柔軟に対応いただけるという点です。証拠金サービスや暗号資産で電子マネーをチャージできる「電子マネーチャージ」サービスにも自動で仕訳起票までできるようにすることが可能ですと言っていただけたので頼り甲斐があるなと感じました。

2つ目は、Aerial Partnersさんには、暗号資産の会計・税務に精通した公認会計士や税理士がいらっしゃるという点です。仕訳データの自動作成以外にも会計や内部統制、税務に関するところも幅広くサポートいただけるという点でコスト削減以外にもメリットがあると思いました。

3つ目は直接会計とは関係ないのですが、Aerial Partnersさんが個人の暗号資産投資家向けにもサービスを提供していることから弊社のサービスとマーケティングの視点でシナジーがある点です。売上の貢献や他サービスとの差別化が図れると感じました。

仕訳作成の自動化で決算業務を効率化。修正のスピードが早い。

導入後、これまで持ってた課題についてどのような効果があったのか教えてください

時間がかかっていた月次決算は、Gtaxを導入したことで段違いに早くなりましたね。暗号資産の取引だけではなく資金の移動についてもデータを取り込むだけで自動的に仕訳を作成できるようにカスタマイズしてくれたのでそういった面でもかなり早くなっています。

暗号資産取引に係る月次決算は数日で確認から起票まで完了する体制になりました。

また、実際の暗号資産の保有数量とGtax上の保有数量の差異があった場合に、Aerial Partnersさんの方で原因追及のサポートを行っていただけるので、解決がとても早いです。また、必要であればGtaxをすぐに調整してくれるところも大変助かっています。

またGtax導入後は取引毎に移動平均法による正確な取得単価の計算ができるようになったので、売上認識が精緻化できるようになったことも大きな導入の効果かなと思います。

Gtaxエンタープライズ版とは

Gtaxエンタープライズ版は、ブロックチェーン事業者の複雑な取引データ管理・経理業務フローを自動化・効率化するサービスです。

仮想通貨（暗号資産）の会計・税務に精通した専門家による内部統制のヒアリングを行った上で、管理フローを効率化するための詳細な提案を行います。複数の管理モジュールの中から、自社の業務フローに沿った機能を追加することができ、社内の会計システムにかかる開発工数を抑えつつスムーズに導入することが可能です。

Gtaxエンタープライズ版の提供を通じ、ブロックチェーン企業の経営管理体制・経理財務フローの効率化を後押しします。

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【参考記事：プレスリリース】
暗号資産の会計ソフト「Gtax」がエンタープライズ版の提供を開始 〜ブロックチェーン関連企業のトランザクション管理及び財務・管理会計を効率化〜