今回、Aerial Partnersにて運営する暗号資産(仮想通貨)の確定申告計算ソフト「Gtax」の利用者を対象に、NFT情報を中心に発信するメディア「NFT Media」と共同で「NFT意識調査」と称してアンケートを実施しました。
その結果を基に、現在のNFTを取り巻く状況について、まとめていきたいと思います。
NFTを買っているのはどんな人?
まず、NFTを所有しているのは男性が78.1%と、ほとんどの割合を占めていました。
アートやゲームなど、NFTには性別に限らず楽しめるプロジェクトが数多く存在するものの、現状は男性の関心が高いようです。
そのうち、年齢では40代が最も多い39.6%、次に多い30代は28.7%となっています。
20代は9.1%とそこまで多くなく、NFTを主に購入しているのは「30代~50代までの男性」であると考えられます。
また、職業で見ると会社員が54.3%と半数以上となっています。
年収では400~600万円の層が24.4%、次に多いのが600万~800万円の層で20.7%と、全体で半分近くが平均年収程度となっています。
しかし、その後に続くのが200万~400万円の層で16.5%、200万円以下の年収層で15.8%であり、一般の社会人で購入層が占められているように見えます。
そして、「NFTへの投資はポートフォリオにどの程度重要ですか?」という質問に対して、ある程度重要と考える層が3割近くいるものの、「まったく重要ではない」と「ほとんど重要ではない」という回答が6割強を占めているため、投資のためにNFTを購入しているという意識はあまりないようです。
NFTの販売価格が幅広いこともあり、年収問わずにどのような層にも受け入れられていると考えられますが、投資資産としてよりも趣味としてNFTが集められているという側面が現状では高いように思われます。
NFTはどれくらいの数、所有されているのか
年齢・職業・年収問わずの全体では「20個以上所有している」という人が最も多い49.4%という結果になりました。
時期で見ると、2021年から2022年にかけてが多く、2023年に入ってからはあまり購入している人が少ないといった傾向になっています。
NFTがニュースでも取り上げられるなど、一般層に認知される機会が増えたためにこのような分布になったのだと思われますが、2023年に入ってからはそこまで大きな話題もないため、新たに参入する人も少ないのでしょう。
所有数や購入価格は年収に因らない様子
まず、上記は400万円未満の人を対象に絞ったものですが、最も多いのが「20個以上」となっています。
この年収層の購入価格を見ても、「5,000円未満」が割合として最も多いですが、その次は「10,000~50,000円程度」となり、比較的高価なNFTも同等の割合で購入されています。
そして、次に400万円以上の年収を持つ方々の所有状況を見てみると、「5~10個未満」とする回答の割合は増えましたが、年収400万円未満のグラフと大きな違いはないように見えます。
また、年収400万以上の層の購入価格を見ても、400万円以下の年収層と分布は大きく変わりません。
以上のことから、NFT自体の価格や所有される数と年収にはあまり関係性がなく、なぜNFTが買われているのかは、また別の理由がありそうです。
今のところNFTに関する失敗談が多め
「NFTの所有に関して、成功談・失敗談があれば、教えてください」という質問をしたところ、失敗談が非常に多く送られてきました。
例えば、次のような回答です。
- ゲーム用NFTを購入したところ、そのゲーム自体の人気がなくなり、購入額を下回る価格になってしまった
- 詐欺サイトに登録してしまい、NFTが抜かれてしまった
- 需要がなくなってしまって、売れなくなってしまった
- 購入したアートNFTがそもそも著作権を所有する本人が作ったものではなく、海賊版のようなものだった
中には購入したNFTの価値が大きく跳ね上がったという回答もありましたが、今回集めたアンケートでは失敗談の方が非常に多い結果となりました。
2022年には一時ブームとなり、さまざまなNFTが販売されていましたが、同様に詐欺や適当なプロジェクトも出てきてしまっていました。
そのため、所有数が多いというのは、このような失敗で「手放せない」ためにそのまま持ち続けてしまっている可能性もあるかもしれません。
NFT所有者はこれからの成長に期待している
ただ、失敗談が多くあったものの、未だNFTの成長へ期待している層は多いようです。
「今後衰退していく・もしくは衰退中である」と考える層も合わせて3割近くはいるものの、「これからも成長していく」と回答した人は65.2%と非常に多く、NFTという形ではなくても、「新しい技術に入れ替わると思う」と考える人も少なくはありませんでした。
現在のNFTは投資としての側面が強く、ゲームに利用できるNFTというのも最近になって本格的に実現されてきた用途のひとつです。
これからの成長を期待する層がこのように考える理由としては、より用途が広がることで、さらなる認知と普及があると思うためのようです。
最近では「メタバース」などのWeb3関連の発展もあることから、そこでNFTが活躍できる場が生まれるかもしれないと考える人もいるでしょう。
そのため、NFTだけではなく、その他技術の発展もきちんと追いつつ、情報を随時集めていくことが必要だと思われます。
そして、NFTの売買においては仮想通貨(暗号資産)による決済も行われるため、時には確定申告のために取引履歴などを控えておく必要もあります。
Aerial Partnersでは、こちらのように仮想通貨の税金に関する解説記事も公開されていますので、ご不明な点があった際は参考にしてみてください。