【基本の「き」】仮想通貨・暗号資産の税金 ~確定申告のながれ~

仮想通貨投資によって生じた所得には税金がかかり、確定申告をして納税する必要があります。2019年など市場が上昇傾向にあるときには仮想通貨投資で利益が出て、初めて確定申告をする方も多いのではないでしょうか?今回は仮想通貨の確定申告の流れを初めての方でもわかりやすく解説していきます。

仮想通貨にかかる税金と確定申告

仮想通貨による所得は雑所得に区分される

仮想通貨取引によって生じた所得は原則として雑所得に区分されます。雑所得は次のような特徴を持っています。

  • 給与所得など各種所得と合算されたのち課税される総合課税
  • 所得が増えるほど税率が高くなる累進課税。最大で55%(住民税を含む)
  • 損失が翌年以降に繰り越しできない
  • 損失が出たときに他の所得区分の所得と通算できない

仮想通貨にかかる税金や雑所得について詳しく知りたい方はこちらをご確認下さい。

仮想通貨(暗号資産)の税金とは?計算方法から確定申告の流れまでを税理士がわかりやすく解説!【2024年最新】

2021年11月17日

仮想通貨による所得が20万円以上ある場合、確定申告が必要になる可能性がある

サラリーマンなどの給与所得者の場合は毎月の給与から所得税が源泉徴収されており、年末調整によって年間の税額の過不足分を精算するので、多くの方は確定申告の必要がありません。しかし、給与所得以外の所得は源泉徴収されないため、確定申告をして自分で納税しなければなりません。仮想通貨の場合、取引によって発生した所得が20万円以上あるとき、確定申告が必要になる可能性があります。

仮想通貨の確定申告の大まかな流れ

基本的に仮想通貨の確定申告をする場合の大まかな流れは以下のようになっています。

所得額の計算

経費集計

申告書の作成・提出

納税

一般のサラリーマンは、普段は源泉徴収により所得税が天引きされているため、自ら確定申告をすることになじみがなく、難しそう、面倒くさそうという印象を持っている方も多いかと思います。

しかし、実際には確定申告をする中で、特別難しい作業があるわけではありません。2019年からスマートフォンから確定申告ができるようになったり、申告書を簡単に作成できるようなサービスもあり手軽に確定申告を行う方法もあります。

順番どおりに作業を行えば誰でも適切に申告できます。これから仮想通貨の確定申告の流れをひとつずつ紹介していきます。

まずは損益計算して正確な所得額を確認する

仮想通貨取引による損益の計算方法

仮想通貨の損益を計算する方法は移動平均法と総平均法の2種類あり、どちらかの計算方法を選択して確定申告をします。

移動平均法:仮想通貨の購入をするたびに、通貨の単価を計算する方法

 

総平均法:期間内全体(1月1日~12月31日)の合計の購入金額を購入した通貨の数量で割った平均額を単価とする方法

両者の主な違いは、通貨あたりの単価の計算方法が異なるという点です。

移動平均法は計算が比較的複雑ですが、体感に即した計算結果になるといった特徴があります。一方で総平均法は計算が比較的容易ですが、体感から大きく乖離した計算結果になることがあるといった特徴があります。

同じ取引をしている場合でも計算方法によって損益額に差が出ることがあります。計算結果は単年度では異なりますが、将来にわたって生じる所得金額は一致します。

仮想通貨の損益計算方法については、確定申告期日までに税務署に届け出する必要があります。(計算方法の届け出をしなかった場合、総平均法が採用されます)

計算方法は一度選択すると原則として3年間変更することができないため、年度によって所得額が少ない計算方法に選択して確定申告をするといったことはできません。最初の選択時の判断が重要になります。

仮想通貨の確定申告で利用される「移動平均法」「総平均法」の違いとは?

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2020年8月6日

仮想通貨の損益計算ソフト利用すると簡単に計算できる

仮想通貨の損益計算ソフトGtaxを利用することで複雑な移動平均法、総平均法での計算も簡単に自動で行うことができます。取引所からダウンロードした取引履歴をアップロードするだけで自動で計算結果を算出します。移動平均法、総平均法の計算もクリック1つで切り替えることができます。

仮想通貨の経費について

仮想通貨取引をする際にかかった費用は経費として認められる可能性があります。仮想通貨取引によって生じた利益から経費を差し引くことで所得額を低く抑えることができます。仮想通貨による所得(雑所得)は所得額が増えるほど税率が高くなる累進課税であるため、所得額を低くすることができれば、税負担を軽くできる可能性があります。

仮想通貨取引をする際、経費として認められる可能性のあるものとしてセミナー代やセミナーに参加するのにかかった交通費や宿泊費、仮想通貨取引に使用するパソコンなどの設備費などが挙げられます。しかし、経費として認められる範囲については税務的な専門知識が必要になることから税理士に相談して判断することをお勧めします。

税理士への相談により適切に経費計上を行った結果、税理士費用を支払ってもなお得をしたというケースも数多く存在しますので、まずは一度気軽に相談してみましょう。

確定申告

所得額の計算が終了し、経費の集計が完了したら申告書の作成をして確定申告をしましょう。

仮想通貨による所得の確定申告をする際に取引所の年間取引報告書や取引履歴などを添付する必要はありません。

申告後、税務調査が入った際に取引所の取引データなどの提示を求められることがあるので、すぐに対応できるようにデータのダウンロード方法などを確認して保存しておきましょう。

申告書は2種類の記入方法があり、税務署で受け取ることのできる紙の申告書を用いるか、オンラインで申告できるe-Taxを利用して申告書を作成することができます。また、この際にfreeeなどの会計ソフトを利用すると簡単にオンライン上で申告書の作成ができるのでお勧めです。申告書を作成したら必要な書類を添付し提出します。申告書を提出すると納税額が確定するので決められた期限までに納税します。

申告しなかった場合のペナルティ

確定申告を決められた期限の間でしなかった、申告自体しなかったなど、期限内に正しく確定申告をしなかった場合には以下のような罰則が課せられます。

  • 延滞税
    • 本来の納付期限に正しい申告金額を納付できていなかった場合本税に加算
  • 過少申告加算税
    • 期限内に提出された申告に対して税金を少なく申告していたことに対して最大15%加算
  • 無申告加算税
    • 確定申告が必要にもかかわらず、確定申告期限を過ぎ申告がなかった場合に納税額の最大20%加算
  • 重加算税
    • 故意的な脱税行為が発覚した場合に納税額の最大40%加算

このように申告を怠った場合厳しい罰則が課されます。納税は憲法上定められた国民の義務でもありますので、仮想通貨取引による所得がある場合は必ず確定申告をするようにしましょう。

ビットコインなど仮想通貨の税金を払えないとどうなる?税金の罰則を知っておこう

2018年7月5日

仮想通貨(暗号資産)の確定申告を簡単に終わらせる方法

仮想通貨の確定申告は非常に煩雑な作業です。特に損益額の計算は国内外複数の取引所を使っている人にとっては非常に難しくなります。

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