アメリカで仮想通貨の”課税逃れ”が摘発された
米内国歳入庁(IRS)は、仮想通貨の所得について適切な納税を行っていないとみられる1万人以上の納税者に対して、課税逃れの罰金を課す可能性を警告する書簡の送付を開始したとブルームバーグが報じました。さまざまなコンプライアンスへの継続的な取り組みを通じて、1万人以上の申告者の課税逃れを捕捉することができたとのことです。
IRSのチャールズ・レティグ長官は「納税者は書簡を真剣に受け止めて、必要に応じて過去の申告書を修正し、税金、利息、罰金を支払うべきである。」と声明を出しています。
仮想通貨への投資の人気が高まる一方で、複雑な取引形態や国外のウォレットなどへの価値の移転の容易さなどから、税務申告漏れが多数あるといわれていきました。しかし、当局が本人確認の取れている取引所などからの情報提供を得られれば、課税逃れを捕捉することは比較的容易になりつつあります。また、アメリカのスティーブン・ムニューシン財務長官は、金融システムに悪影響を与えないよう、米国の規制当局がまもなく仮想通貨に関する新たな規制を発行する可能性が高いと述べ、今後の規制強化が注目されています。
IRSが前月送付した書簡に加えて警告書簡を送付
(2019年8月追記)2019年7月に送付された書簡に加え、その翌月の8月にIRSは、実際とは異なる所得額を申告し、適切な納税を行っていない仮想通貨投資家に対して警告文を送付したことがCoindeskによって報じられました。
今回、IRSは申告された所得額が実際とは異なるとみられる仮想通貨投資家に対して、正しい金額で申告し、追加で納税するよう警告しています。
また、この一件に対して税金計算ソフトを提供するCointrackerの創業者Chandan Lodhaは、この警告文は、IRSが申告された所得額が正しくないという証拠を取引所で掴んだうえで送付しているため、手紙を受け取った投資家はすぐに何かしらの返答をしなければならないと言及しています。
日本における仮想通貨の課税逃れ
アメリカのIRSに先立って、日本の国税当局では2017年度より仮想通貨取引で発生した所得についても税務調査の調査対象となっています。2019年の6月には、個人と法人あわせて仮想通貨取引による100億円分の所得の申告漏れが国税当局により指摘されたという報道がありました。
国税庁は、全国の国税局などに専門のプロジェクトチーム(PT)を設置し、仮想通貨取引で個人が得た所得に適切に課税するための情報収集の体制を強化すると発表しました。また、国税当局が申告の必要があると見受けられる顧客らの情報を取引所などの交換業者に照会できる制度が2020年1月から始まりますので、より一層仮想通貨に関わる税務調査が本格化するものと思われます。
また、2019年8月にイギリスの歳入税関庁は、イギリス国内取引所3社に対して顧客の名前と取引履歴を提出するよう要請しました。世界的にも仮想通貨の利用者の多い、日本・アメリカ・イギリスにおいて課税逃れに対する取り締まりが強化されてきています。
仮に税務調査で課税逃れや過少申告を指摘された場合には、延滞税や重加算税が追加でかかる可能性があり、その場合は本来払うはずだった税金より大きな負担を強いられることとなります。
海外の取引所を使っていたとしても、日本円の入出金や銀行口座の履歴から課税逃れや過少申告を捕捉されるケースは十分に考えられますので、正しく自分の所得を計算して確定申告に臨みましょう。
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